「職場原点」の運動は永遠なり! あっという間に8月である。大分労組第26期の任期も残すところあと1か月、今回を最後に本コラムの執筆を終えることとなる。これまで7年間、月1回のペースで時事の課題をテーマに思い付くままに書いてきたが、お付き合いいただいた皆さんにこの場をお借りして御礼申し上げたい。
本コラムが皆さんのお役に立てたかは甚だ疑問であるが、自分にとっては、毎月のコラムのネタを考えるうえで、新聞の読み方も丁寧になったし、読書量も増して、とても良い経験となったと受け止めている。また、たまに「組合長、今月のコラム良かったね」なんて声をかけられると、お世辞と分かっていても嬉しいものであった。
さて、この7年間を振り返ってみれば、組織の運営を行うにあたって、決めたことは必ず実行する「実行力ある力強い組織」をめざして凡事徹底を図ってきたつもりである。これまでの取り組みの評価は歴史に委ねられることとなるが、運動を支えていただいた書記局はもとより、各支部の役員の皆さんには、日常業務を抱えながら組合活動に精力的に取り組んでいただき心より感謝したい。
一方で、組合長在任期間に、構内において4件もの重大災害が発生したことは痛恨の極みである。常々申し上げている通り、労働組合は「組合員とその家族の幸せを追求」するために様々な運動を展開してきており、その基本となる健康と安全を守ることができなかった事実を決して忘れてはならない。現在、「夏季ゼロ災活動」を展開中である。本日朝6時より支部の皆さんと共に安全ビラ配布とゼロ災活動期間中の無事故・無災害の呼び掛けを行ったが、あの時の悔しさを胸に秘めつつ、今日も構内で働くすべての仲間が笑顔で家に帰れることを願ってやまない。
ところで、大分労組は本年11月3日をもって組合結成50周年を迎えることとなる。私個人としては、これまで先達が築き上げてきた歴史を受け継ぎ、この50年を節目に次なる飛躍に向けて信頼する石本新組合長にバトンタッチできることを誇りに思っている。また、変革の時、難しい時代の舵取りとなるが、しっかりと運動を前に進めてくれると信じている。
とりわけ、前人未踏となるゼロカーボン・スチールへの挑戦など、鉄鋼産業・企業にとって極めてハードルの高い課題等がある中で、ここ大分・光の地において、組合員の雇用と生活の安定・安心に向けた取り組みは、当面する最大の課題である。コスト・リーディングミルとしての役割を発揮するべく、安全・安定生産をベースとした全社収益への貢献と設備投資による競争力強化の好循環に向けて、働く者の立場から職場実態を踏まえた「本質的な問い」を行っていく必要がある。
最後になるが、大分労組はこの50年間、職場を原点に組合員相互の信頼と理解に基づく強固な団結により自主的、民主的な組織運営によって労働条件を維持し、社会的経済的地位の向上に努めることを旨として運動を進めてきた。
今後ともこの「職場原点」の運動を軸に、労働組合としての役割を発揮し続けていくことを期待し、終わりの言葉としたい。ご安全に、そして大分労組バンザイ!
第9代組合長 松尾竜二
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