小指の痛みは全身の痛みと感じ取ってください 年始の「組合長メッセージ」から、あっという間の1カ月、2月に入りました。年明け早々は新型コロナウイルスの感染者が激増し、今年もコロナ禍での生活・活動を余儀なくされるな…との思いでしたが、政府は本年5月8日から季節性インフルエンザと同じ「5類」にすることを決めました。これでコロナ禍前の生活に戻れるとの思ですが、個人や医療現場への急激な負担への影響も気になるところであり、激変緩和措置は必要不可欠です。
さて、昨年2月24日、ロシアによるウクライナへの侵攻が始まり1年が経過しようとしていますが、欧米諸国の後方支援もあり戦争は長期化の様相を呈しています。年末年始には国内はもちろん国外の暖房設備もままならない避難所等で家族が離れ離れで暮らす様子が報じられ心が痛みました。
こうした中で、先月28日に連合九州ブロック連絡会と連合大分の主催による「『在日米軍基地の整理・縮小』と『日米地位協定の抜本的見直し』」を実現する日出生台シンポジウムが玖珠町で開催されました。本活動は在日米軍の日出生台での演習の有無により、毎年、集会かシンポジウムのいずれかの形態で開催されています。
昨年5月、沖縄県が本土復帰50年を迎えましたが、本土復帰から遡ること3年前、衆議院予算委員会の公聴会で沖縄の切なる願いとして発せられた言葉があります。「沖縄同胞の心情を人ごとと思わず、どうか小指の痛みは全身の痛みと感じ取ってください」。それから半世紀、今なお、国土面積の約0.6%しかない沖縄県に、在日米軍専用施設の約70%が集中しています。
1996年に、「沖縄の痛みを分かち合う」として、全国5カ所での実弾射撃訓練の分散実施が決定し今日に至っていますが、当初の約束であった「沖縄と同質・同量」の負担は反故にされ、「訓練の拡大・恒常化」「基地のばら撒き」状態となっています。
今月には、日出生台の地で、過去に例のない、同じ年度内で2度目となる日米合同の訓練が実施されることとなり、地元住民の不安は高まっています。
私たちの暮らす日本は、「小指の痛み」はそのままに、多くの国民が気付かないうちに、基地のある地域を中心に痛みが少しずつ全身に広がろうとしています。体の抵抗力が低下すれば感染は益々広がります。
連合九州ブロック連絡会と連合大分は、日出生台の問題、沖縄の問題、そして、米軍基地の問題や日米地位協定の問題は、日本全体の問題であるとして、1999年1月31日に日出生台に隣接する玖珠町に1万人を超える仲間が結集して声を上げ、以降、四半世紀にわたり訴えてきていますが、残念ながら世論を大きく動かすには至っていません。
戦争になれば真っ先に標的にされるのが基地周辺です。当該地域から離れて暮らす私たちには、なかなか肌身に感じることではありませんが、平和が無ければ私たちの生活も労働運動もありません。
未来は、「今、私たちが何をするのか」にかかっているとの思いを全員で共有し、それぞれの職場・地域で発信をしていただきたいと思います。
ご安全に!
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