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時は得難くして失いやすし(その2)

 「時は得難くして失い易し」…昨年3月の組合長メッセージと同じ見出しになってしまいましたが、中学校の卒業式の日に担任の先生から頂いた私に対する言葉として紹介しました。中国前漢時代の司馬遷による歴史書「史記」の中の格言で、「好機はめったに巡ってこないし、油断するとすぐに去ってしまう」との意味で、座右の銘とは言わないものの「あの時やっておけば、判断しておけば…」と後悔することの無いように心掛けていると書きました。

 実は、この1年間で「時は得難くして失い易し」を考えさせられることが三つありました。
 一つは、単組・産別県本部の組合長・委員長を兼任での連合大分会長への就任要請に対する判断の時です。本当に兼任で対応出来るのか?自分自身はもちろん組織内外の皆さんにも心配されましたが、長年に亘って労働運動をしてきた者にとって、ナショナルセンター連合の地方組織の代表に就任出来る好機でした。「今回断れば次はどうなるかわからない…後悔したくない」就任から4ヶ月、日程調整等で両組織には負担をかけており申し訳ないですが、想定以上に充実した日々を送っています。
 そして二つには、現職である広瀬知事の引退表明を受けての「安達澄」参議院議員の知事選への出馬表明の時です。「選挙の時にあれだけ支援したのに、任期の途中で辞任するなんて!」の声が多く上がりました。今もあると思います。参院選に熱心に取り組んだ人こそ声を上げていることと思います。その一方で、「辞任しなければ6年間の任期が確実に保障されているのに、それを投げ打ってまで大分県の為に頑張る決意をしてくれた」との声もあります。そもそも論として、首長(別府市長)をめざしていた安達参議と、その基軸となる支援者の皆さんからすれば、広瀬知事の引退は間違いなく好機であり、政治家としての判断としては、このタイミングを逃せなかったのでしょう。
 最後の三つめは、安達参議の辞任に伴う参議院補欠選挙への政党の対応についてです。安達参議が知事選への出馬表明をしたのは昨年11月、既に4ケ月が経過しようとしていますが、残念ながら野党として候補者の選定に至っていません。今回の辞任が各政党からすれば「寝耳に水」だったことは確かですが、過去の参院選を振り返れば、当時の民主・社民両党が「今度はうちの番」として候補者を擁立し合い、連合大分を悩ませていたことを考えれば隔世の感ありです。安達参議は無所属ですので、各政党は自党の国会議員を増やす好機であることは間違いありません。今回補選の残任期は2年程度なので短期間での選挙対応が余儀なくされることとなり、候補者本人からすれば悩みどころでしょうが、いつ解散になるか、常在戦場といわれる衆議院のことを考えれば、判断もシンプルではないかとも思ってしまいます。

 いずれにしても、大分県知事選挙は、20年振りの新人による戦いとなりますが、新しい時代のリーダーを決める選挙、労働組合はもちろん大分県民全体で選挙戦を盛り上げていきましょう。
ご安全に!


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