「モノづくり」のプロ集団として 去る9月23日、大分労組は連合会構成単組のトップをきって第57回定期大会を開催し、向かう2年間の運動方針を確認しました。大会の開催は結構大変なのですが、無事に終えたことは、しっかりと準備し運営していただいた役員皆さんの頑張りによるもので、本当に感謝です。
今月は、十数年前、中央派遣されていた頃に伺った話をネタに、「ものづくり」という言葉について考えてみたいと思います。
私たち鉄鋼業も「ものづくり」産業です。この「ものづくり」を文章に使う際、私は「モノづくり」と書くように心がけています。「モノ」は形ある物質ではなく「ものがたり」や「もの想い」と言うように、思想や知恵・考えなど頭の中のことです。それを形にすることが「つくり」であり、「単に物作って売ってるんじゃないよな」との思いからです。
私たちが携わる製鉄事業には、強さ・加工しやすさや、錆びにくい等の素材の性能や品質の安定性、製品を届けるタイミングにも価値があります。わかりやすく例えるならば、たとえば素材がビニールであっても、洋服のブランド品ではデザインや色・機能といった価値が認められ何万円もの値段がつきます。「欲しい・着たい」と思ってもらえるような設計思想に価格がつくのです。シャツの形をしたただのビニールではそうはなりません。
私たちの鉄鋼業も今、カーボンニュートラル・DXなども含めどんどん多様化・高度化してきています。そうした事実をそこで働く者の気概として大切にすべきであり、思いを込めて「モノづくり」と記しています。
何やら経営的な話にも聞こえますが、これは働く者にとっても同じです。自らの仕事に対して、技能や知識をより高めていくことで、その人の仕事の価値が上がります。私たちも「モノづくり集団」として、各々の持ち場・立場でプロフェッショナルを目指していかなければなりません。そのベースは「安全」です。ケガしないこと、より安全に作業できる職場としていくことです。
さて、今月は年間活動計画の策定を進める時期です。労働組合の資料は文章ばかりで馴染みのない難しい言葉が並び、回りくどく「ほわっと」した内容も多い、「正直よう分からん!」が率直なところかもしれません。活動計画を皆さんに理解・共感いただくためには、分かり易いモノとなるよう工夫も必要です。活動スローガンに掲げた「人をつなぎ・育む」こととはどういうことで、そのためにいつ・何に取り組むか、「力強い組織」とか「選ばれる」などの言葉を、深く深く掘り下げて皆さんにとって身近な活動としていくことが大切です。
この作業は、労働組合の「モノづくり」としての価値創造も試される重要な作業です。決して単なる「物作り」とならないよう、特に本部・支部のトップリーダーは、悩みながらも情熱を注いでいかなければなりません。
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